親御さま相談室

<心をコントロールすることの大切さ>


以前、私は、『親御さま相談室』の「集中力を持続するためには」の中で学習に集中するためには何よりも「身体と心を丈夫にすることが大切である」と述べました。
まず、学習をしっかりと行うためには体力が必要ですし、また何よりもお子さまが精神的に安定していることが不可欠だからです。
そこで、「どのような点に留意して心をコントロールしていけばいいのか」ということをいくつか申し述べたいと思います。
受験をするということは、知識を増やさなければなりません。つまりできるだけ多くのものを頭の中にインプットする必要があります。そして、そのインプットした内容を練習問題やテストによってアウトプットしていきます。
自分がインプットしてきた知識がどれだけ身についているのかを確かめるのがテストにおけるアウトプットです。
このインプットとアウトプットの両方が上手くいって初めて学習効率が上がり、それに伴い成績も上がっていきます。
そして、成績が上がれば、いい波に乗ることができます。
嬉しい体験の積み重ねがお子さまのやる気を引き出し、お母さまの気持ちを高揚させるからです。しかし、いつもこのいい波に乗れるとは限りません。
いえ、むしろ、いい波に乗り続けるというお子さまの方が圧倒的に少ないのではないかと思います。
そこで、「いい波に乗れなかった時にどう対処し、いかにして次にいい波を起こしていくか」ということが重要になります。
私は以前、『親御さま相談室』の「大手進学塾の模試の活用の仕方」の中で「テストの結果をすべてだと思い込み、一喜一憂しないで下さい」ということを述べました。
つまり、一時のアウトプットの失敗(これは厳密に言えば失敗ではなく成功のもとなのですが)によって気分をダウンさせ、せっかく今日スケジュールを立てていたはずの学習、つまりインプットする作業を怠るような事態を避けて頂きたいと思うのです。
テストの結果が悪かった時は誰でも一時的に気分がダウンします。ダウンするな!という方が無理だということも充分に承知しております。
(私も中学受験生を抱えた母親としてそういう経験がありますので、よく理解できます)
しかし、結果というのは、本番までわかりません
かつて私が学習指導に携わらせて頂いた経験から申し上げても、6年生の12月の段階で大手進学塾の模擬テストの結果が第一志望校の可能性20%と出てしまったお子さまが合格されています。

今まで学習指導をさせて頂いた経験からこれははっきり言えることですが、本人に絶対入りたい!何が何でも合格したい!という気持ちがあれば入試本番ではまず間違いなくいい結果がでます。
それともう一つ言えることは、親御さまとお子さまの目標が一致していることがとても大切です。親子の進むベクトルが一緒である方が当然お子さまの心は安定します。
中学受験生とその親御さまは、学校説明会や文化祭などに出かけてさまざまな学校を見学されると思いますが、その時にお子さまが、親御さまの希望していない中学校を気に入るケースがあります。
当然ながら、お子さまは正直ですので自身が通いたいというイメージの学校へと気持ちが向かっていきます。
ここで、親御さまとお子さまの「第一志望校」という大きな目標が違ってしまうと一緒に走り続けることが難しくなります。
すると不思議なことに、お子さまの心に迷いが生じ学習効率が落ちてしまう場合があるのです。
ですから、目標が親子で違ってしまった場合はその場でよく話し合っておくことが大事です。
大抵の場合、親御さまは、「お子さまの将来に目を向けて学校選びをする」一方、お子さまは、「学校の建物の印象やその学校で会った先生や生徒へおぼえた親近感」などで判断することが多いようです。もちろん、どちらの主張も学校選びをする際には大切な要素ですから、親御さまとお子さまの双方がそれぞれの気持ちを率直に語り合い、お互い納得をして受験に臨むことが肝要です。
何と言っても、やはり中学受験の場合は親御さまのフォローが絶対に必要になりますし、親子で息を合わせて進むことが何よりも肝要です。
中学受験に関して言えば、何と言ってもお子さまの心をサポートするのは親御さまですので、しっかりと話し合いお互いの気持ちにズレが生じないように心を一つにして進んで頂きたいと思います。

また、首尾一貫して心に迷いなく目標に進んでいけるかどうかが重要な鍵を握ります。
「ちょっと成績が下がると志望校を変え、またちょっと成績が上がると志望校を変える」といったようにいつまでも目標をしっかりと固定しないケースがよく見られます。
私は先に申し上げましたように、合格できるか否かは、本人の絶対に合格したい!という信念だと考えておりますし、事実、そういう信念のもとにコツコツと、そして淡々と積み重ねていった努力は絶対に裏切らないということに確信を持っております。
一度目標を決めたらまずはどんなことがあっても諦めずにそこに向かっていって下さい。
絶対その学校に通いたいという「信念と学習の継続」だけが第一志望校合格を叶えます。
それからもう一つだけお伝えしたいことは、心をいつも健康にしておくには、十分な睡眠と健全な食生活が必要だということです。
睡眠はある種、学習効率を高めるための投資だと思って下さい。
眠る時間がもったいない、と考えて無理して学習を続けることはかえって逆効果です。
また、きちんとした食事は、脳の活性化を促しポジティヴな思考にさせます。
受験生は何よりも「学習意欲とチャレンジ精神」を持ち続けることが大切です。そのためにも常に前向きに気持ちをコントロールしていくように是非心がけて下さい。

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