親御さま相談室

<6年生 秋からの「国語の学習方法」のサンプル>

この度は、たくさんの親御さまより「二学期が開始してからの学習の進め方」につきましてお問い合わせを頂きました。そこで、参考にして頂ければと思い、こちらに「秋からの国語の学習内容及び学習方法のサンプル」をまとめさせて頂きました。
このサンプルは、親御さまからの強いご要望にお応えし、実際に我が子が中学受験の際に(ちょうど夏休みが終わり、二学期がスタートした頃に)行っていた学習方法を一つの例としてご紹介させて頂くものです。
これは、今まで家庭教師として個人的にコンタクトをとらせて頂いた親御さまより同じご質問を承りました際に、参考のためにお伝えしてきたサンプルでもあります。

あくまで、一つの例ですので、まとめさせて頂いた内容の中から親御さまが「お子さまに有効である」とご判断頂いたものがあれば、その部分をピック・アップして活用して頂ければと思います。

まずは、漢字の学習ですが、「漢字テスト」を毎朝学校に行く前に行いました。
だいたい10問から15問程度の小テストです。
書けなかった漢字は、その場で、覚えるまで書き直してから学校に出発しました。
そして、その日の夜寝る前に、もう一度書けなかった漢字のみをテストして「本当に覚えているかどうか」を必ず確認しました。

知識問題につきましては、志望校の過去問を分析した上で、出題される割合 が高い項目を中心にさまざまな問題集を使って演習を繰り返しました。
できなかった問題は、その項目の掲載されている塾のテキストをもう一度解き直すことで抜け落ちていた知識を確認し、補習しました。

読解問題への取り組みは、塾で国語の授業がある日は、塾で集中して解き、解説をしっかり聞いてくることに専念してもらい、特別にまた自宅で新しい問題を解くことはしませんでした。
ただ、「授業で行った内容をきちんと理解できているのかどうか」を確かめるために、塾のテキストと授業のノートを見ながら口頭でいくつか私の方から質問をし、理解が足りないと思われる時にはもう一度その問題文を読み直して内容を復習しておきました。

塾で国語の授業がない日には、塾の授業では解いていないテキストの残りの問題をすべて解きました。また、塾から頂いた『中学入試問題集』(さまざまな中学校の過去問が掲載されている問題集)を使用し、国語の読解問題を一日一校のペースで解くようにしていました。
この時期は、第一志望校だけにこだわらず、いろいろな切り込み方の設問に対応できる柔軟性を養う必要があると考えたからです。

『中学入試問題集』を全部解き終えてからは、第一志望校の過去問を徹底的に解くことでその学校の傾向に慣れていくようにしました。
そして、第一志望校の入試問題を分析して、その分析をベースに学習を進めていくことだけを軸にしました。
この時期から入試直前までは、「塾での学習」と「志望校の入試問題対策の学習」のみに絞りました。

余談になりますが、ここで第一志望校の入試問題を分析する際の、留意するべき点をご紹介致します。

・読解問題で出題されている問題文のジャンルに注目!

例えば、「桜蔭中学校」の入試問題においては「物語文」の読解問題が頻出しているのに対し、一方、 「女子学院中学校」では「物語文」よりも「論説文」や「随筆文」が多く出題されています。
その学校によって、入試問題で頻出する文章のジャンルがまったく違いますので、注意して下さい。秋からはなるべく、志望校の入試問題の傾向に即した文章の読解問題により一層力を入れて取り組むことが肝心です。

・出題される設問の形式の種類に注目!

この度出版致しました『答え探しの技で勝つ!』の著書の中で、私は国語の入試問題の設問形式を「選択式」「抜き出し式」「記述式」の3つに大きく分類してその解法をご説明致しましたが、特に秋からは、この設問の種類に注目し、「志望校の入試問題に3つのどの形式が多く出題されているのか」を把握した上で学習されることをお勧めします。

例えば、①でも触れさせて頂きました2校を比較させて頂きますと、「桜蔭中学校」では、ここ最近の傾向として、「記述式問題」がほとんどの割合を占めます。ですから、もし「桜蔭中学校」を第一志望とされる場合は、「長文を正しく読みこなす力をつける」「設問に対応する答えを問題文の根拠を踏まえて思考する」「誤字、脱字なしに文法的にも正しい文章で書く」という3つの要素を徹底的に訓練していく必要があります。
しかし、一方「女子学院中学校」では、「記述式問題」よりもむしろ「選択式」「抜き出し式」の問題が大きな割合を占めています。
「記述式問題」も確かに出題されてはいるものの、要求されている字数は少なく、「抜き出し式問題」の解法で答えられるような(問題文から根拠を探してそれをそのまま解答できるような)設問になっています。
また、「女子学院中学校」の場合は、設問数が圧倒的に多いのです。 制限時間内に解くためにはかなりのスピードが要求されます。
つまり、「女子学院中学校」を第一志望にする場合は、「文章を早く正確に読み、情報検索能力を磨く」ことが何よりも大切になります。

例に挙げさせて頂きましたこの2校に限らず、どの学校の入試問題にもそれぞれの特徴があります。是非お子さまの第一志望校の設問形式を分析し、 その傾向に則して対策を練り学習を進めて下さい。

・設問形式をさらに細かく分析し、その「出題の仕方」に注目!

中学入試における国語の読解問題の設問形式は、3つに大きく分けられるということをご説明致しましたが、その3つの設問形式をさらに細かく分類して対応策を立てておくのも一つの有効な方法です。

例えば、「選択式問題」「抜き出し式問題」「記述式問題」には次のような出題の仕方があります。

  • 適語選択(問題文の中から適切な言葉を探して答える)
  • 指示語内容(問題文の中の「それ」「あれ」「その」などの指示語が何を表しているのかを答える)
  • 空欄補充(問題文のところどころに空欄の?があり、そこに当て嵌まる適切な言葉及び文や内容を答える)
  • 文章挿入(問題文中に挿入する文章が与えられており、その文章が問題文のどこに組み込めばよいか、その位置を答える)
  • 並べ替え(問題文中の一部の段落の文章の順番がバラバラになっており、それを正しく並べ替える)
  • 傍線解釈(傍線に示されている文章についての説明が求められる)

このように細かく分析することで、さらに第一志望校の読解問題における特色が明確になります。

以上のように秋からの学習は、

 ①夏までに習得した知識の確認

 ②塾の授業の内容を理解しているかどうかの確認  (口頭にて行う)

 ③多種多様な問題に対応する柔軟性と思考力を養う

 ④第一志望校の入試問題の特徴をつかみ、似たような問題を繰り返し解く

 ⑤第一志望校の過去問を徹底的に解く

の5つに絞りました。

もし、お役に立てる部分がございましたら参考にして頂ければ幸いです。

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